東久留米市立第5小学校にて「天然ヒバを使ったリースづくり」を実施しました。男の子とお父さま、女の子とお母様の親子が参加してくださり、教室全体がやわらかな雰囲気に包まれながらスタートしました。植物の香りに満ちた空間で、これから自分たちの手で作品を作るという期待感が自然と高まっていく様子が印象的でした。

まずは今回使用する植物たちを紹介し、それぞれの特徴を触れながら体験してもらいました。「これはどのくらい持つの?」「どうやって巻くの?」とたくさんの質問が飛び交い、植物に触れるだけで自然と好奇心が湧いてくるのが伝わってきました。
材料を配りながら、枝の向き、巻き込む量、ワイヤーのかけ方など、基本のポイントをお話ししたうえで作業に入っていただきました。普段は触れる機会の少ない自然素材を手にしながら、親子で協力して一つの作品を作る準備が整い、いよいよ本格的なリースづくりの開始です。
ヒバを巻きつける工程と素材の魅力を楽しむ時間

今回使用した花材は、クジャクヒバ、ヒムロスギ、セッカンスギ、つるウメモドキの4種類。それぞれ色合いや香り、質感がまったく異なり、組み合わせることで豊かな表情が生まれます。リース台座にヒバを一束ずつ巻きつけていく工程では、作業を始めた瞬間に天然ヒバの爽やかな香りがふわっと立ちのぼり、子どもたちからは「いい匂い!」という声があがってました。
作業を進めていくうちに、皆さん枝の扱い方に慣れ、重ね方や向きの調整もどんどん上手に。
お父さまと息子さんの組では、太めの枝を使ってボリュームのあるリースにしたいという思いが伝わってきて、ワイヤーをカットしながら「次どこに入れる?」と相談し合う姿がとても微笑ましかったです。

一方、お母さんと娘さんは枝の向きを一つひとつ確認しながら「ここが正面になるようにしよう」「この枝はあえて残したいね」と細かいバランスまで丁寧に調整しており、息の合った親子のやりとりが印象的でした。
仕上げに添えたつるウメモドキは、赤い実が鮮やかなアクセントになり、作品全体を一気に華やかにしてくれます。娘さんは実のつき方を見ながら慎重に配置し、お母さんと一緒に左右のバランスを確認しながら飾り付けていました。同じ材料を使っていても、枝の向きや組み合わせによって全く異なる雰囲気のリースが生まれるのは、天然素材ならではの楽しさだと改めて感じました。

植物に触れながら親子で過ごす豊かな時間

今回のワークショップを通して強く感じたのは、植物を通じて“親子の時間”だけでなく、その場を共有した参加者同士の時間までも豊かにしてくれるということです。お互いの作品を見合ったり、感じたことを言い合ったりしながら一緒に手を動かすうちに、自然と会話が生まれていきました。完成した瞬間の達成感を共有できるのも、ものづくりならではの魅力だと改めて感じました。
さらに、天然ヒバの香りに包まれながら作業することで、植物の心地よさを五感で味わっていただけたことも嬉しく思います。
“自然そのものの質感”に触れることで、植物への興味が少しでも広がったり、「家にも飾ってみたいな」という気持ちが芽生えるきっかけになってくれたら嬉しいです。
完成したリースはどれも個性豊かで、本当に素敵な仕上がりでした。今回の体験が、親子の思い出として、そして季節の楽しい記憶として長く残る時間になっていたら幸いです。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。これからも地域の皆さまに楽しんでいただけるワークショップを開催していきたいと思います!
